研究課題/領域番号 |
19320039
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
STEELE William 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (00146747)
小島 康敬 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (70101590)
古藤 友子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (90195751)
ROBINSON Kenneth 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (10306904)
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キーワード | 日本文化 / 日本文学 / パロディ / カノン / 絵本・絵巻物 / 文化的アイデンティティ / 文化・文学理論 / パロディと法律 |
研究概要 |
今年度は、プロジェクトの最後の年だったので、課題は、研究の纏めと結果の総括でした。その実現のために、昨年度のパリで行われた仏日シンポジウム(2009年3月)に続いて、2009年11月27-28日、国際基督教大学で、「パロディと日本文化」の国際シンポジウムを開催しました。 今まで見えてきた問題-主として西洋の文化的実践に基づくパロディ理論の応用の是非、パロディの意味生成のメカニズムと引用行為の特徴、カノン作り、ジャンル作り、テクスト作りにおけるパロディの役割、文学や美術など、複数の分野間の往復としてのパロディの働き、パロディの社会的や教育的な機能、パロディと異文化交流などの問題を考慮した上、シンポジウムのフォーカスとして、次の三つの大きなテーマを提供しました。すなわち、パロディとカノン、パロディとメディア、パロディとアイデンティティという三つです。 プロジェクト・メンバーの外に、海外の研究者7人(アメリカとフランスから2人ずつ、カナダ、中国、韓国から一人ずつ)と国内の研究者三人に発表してもらいました。すでに焦点を合わせていた問題、文学作品のパロディとしての絵本・絵巻物、表現志向のパロディvs.内容思考のパロディ、風刺とパロディ、他者のパロディと自己パロディ、パロディ作品のオリジナリティと法律、などの問題に加えて、新しい問題も見えてきました。たとえば、パロディとしての中世の擬古物語、日本人の死生観とパロディ、食文化とパロディなどです。 二日間の発表後に行った総合ディスカッションは、望みどおりの総括となりました。すべての発表とディスカッションを記録しました(映像と音響)。 一方、成果発表に関しては、プロジェクト予算の枠組みではありませんが、論文集の本として出版する予定です(出版社がすでに決まっています)。
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