研究課題/領域番号 |
19320040
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
近衞 典子 駒澤大学, 文学部, 教授 (20178297)
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研究分担者 |
大塚 秀高 崎玉大学, 教養部, 教授 (30126007)
金 文京 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60127074)
笹倉 一広 一橋大学, 経済学研究科, 准教授 (50196185)
木越 治 金沢大学, 文学部, 教授 (10109093)
福田 安典 愛媛大学, 教育学部, 教授 (40243141)
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キーワード | 中国白話小説 / 三言二拍 / 日本近世文学 / 『太平記演義』 / 岡島冠山 |
研究概要 |
当プロジェクトは日本近世期における中国白話小説の受容について、中国文学、国文学双方の研究者が手を携えて研究を進めようとする、これまでにない学際的な研究である。今年度は四年間のプロジェクトの初年度に当たるため、まず全員が一堂に会する合同会議を六月に行い、今後四年間の研究計画、役割分担、予算案等を決定した。その後は基本的に、中国分学チーム、国文学チームそれぞれの分科会により、研究を進めた。データを集積するためのサーバコンピュータは、一橋大学に設置することになった。 中国文学チームは、白話小説か近世の日本人にいかに読まれたかを考える際には必要不可欠である、的確な翻訳テキストの作成を目指し、八月にはメンバーが近江八幡に集合して今後の方針を確認した。そして、まずは資料蒐集、底本となるテキストの写真撮影、複写を行い、その後は個々に作業を進めている。膨大な作品群を対象とする地道な作業であるが、着実に成果が挙げられており、次年度以降も継続される予定である。 国文チームは、白話小説の影響を受けた日本近世小説作品として、その最初期に位置し、読本発生に多大な影響を与えたと考えられる岡島冠山作『太平記演義』を調査対象に選ひ、諸本を調査した。その結果、よく知られる内閣文庫本以外に、『国書総目録』に掲載されていない愛媛県立図書館本、京都大学東洋文化研究所本を見出し、それぞれの校合を行った。 二月に、本プロジェクトの今年度の研究報告書として、最善本とみなされる愛媛県立図書館本『太平記演義』を底本として写真版を作成、解説を付して刊行した。
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