研究課題
平成21年度の実績概要を日本文学方、中国文学方に分けて記述する。■日本文学方:平成21年度までに、日本近世文学関係では、中国白話小説と日本近世文学との関係について、善書の出版を行った浄土宗の関係についての報告と論文(福田安典)、都賀庭鐘の原拠利用についての考察(木越秀子)、上田秋成の和学についての考察(近衞典子)、その他読本についての論考(田中則雄)他を発表している。日本近世文学の周辺への目配りとして、思想界については、大阪の儒塾である懐徳堂についての新資料発見と報告(近衞典子)、近代文学については、正岡子規と秋成の近世和歌についての比較文学的な考察(福田安典)を発表している。また、平成21年度末の中国説話、日本説話、および環太平洋の東南アジアを中心としたフィリピン大学でのシンポジウムでの発表(福田安典)は手を加え、単行本として平成21年12月に、フィリピン大学国際交流センターより刊行された論文集に掲載された。(福田安典)。■中国文学方:平成20年に引き続き三言二拍の翻訳底本作製作業を進めた。計画通り翻訳の少ない『二刻拍案驚奇』の翻訳に着手し、進行中である(中国文学方連携研究者全員)。その中で、翻訳の注釈において、日本文学研究者の必要とするところと、中国文学研究者の必要と考えるところとの摺り合わせについて、両者の意見調整を進めている。翻訳の成果については、22年夏に刊行される『中国小説研究』15号に掲載される(岡崎由美)他、最終的にはweb上に公開して、広く研究者の便に供することが出来るよう、サイトの構築についてのノウハウを研究した。(笹倉一広)
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 図書 (1件)
駒澤国文 第47号
ページ: 251-264
アジア遊学 第131号
ページ: 132-141
近世文藝 第91号
ページ: 44-56
埼玉大学紀要教養学部 第45巻1号
ページ: 25-43
Tennin and tennyo (天人と天女) 'Celestial Maidens of Southeast Asia and Japan'(Umali, Amparo Adelina C. ed.)(University of the Philippines, Center for International Studies)
ページ: 16-25