研究分担者 |
高橋 和久 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10108102)
柴田 元幸 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90170901)
大橋 洋一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20126014)
阿部 公彦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (30242077)
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研究概要 |
研究代表者平石はスコットの研究の前にます,スコットとも関係の深いルイサ・メイ・オールコットについての資料収集を行った。オールコットは現在作品が発掘刊行されつつある注目の作家のひとりであり,この収集を通してなぜオールコットがイギリス文学から影響を受けたか,なぜ(代表作『若草物語』を別にして)しばしば作品の舞台をイギリスに設定したか,などの問題を考察した。高橋はスコットランドの事情を18世紀,19世紀,さらには20世紀の作家にまで渡って調査検討しつつ,そこからあらためて英米交流という視点に立ち戻るような研究を展開,また頻繁な講演活動をしてその成果を世間に発表しもした。大橋は18世紀から19世紀,またイギリスからアメリカ(またアメリカからイギリス)という時間,空間的な変容や交流を把握するための参照枠を,理論的に構築することを試み,植民地時代と独立後のアメリカにおけるシェイクスピア受容と上演における継続と変化を測定するため,資料,史料の調査と収集を行った。柴田は英米文学を中心としつつも,さらには「世界文学」という視点をとりいれ,そこからあらためて「世界」という枠を英語圏の中で構築する元になった18〜19世紀の英米交流というテーマに立ち戻って考察を展開した。阿部はワーズウス,テニスン,ホイットマンといった主に19世紀の詩人たちの交流に注目し,とくにホイットマンにおけるイキリス文学的な素材の消化に焦点をあてて資料収集を行った。
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