平成22年度は本研究計画の最終年度に該当するため、本研究チームがイラン等で実施してきたフィールドワーク等で得た資料の整理と分析の総括を主目的として活動した。このため、イラン等において総括的なフィールドワークによる調査、基幹的作業となる資料に関するデータベース構築に係る作業、応用研究を行った。前年度までに整理を終えたデータに関してインターネット上で順次公開する作業を引き続き行った。 具体的には主に下記の1から3の方法で研究活動を実施した。2の作業においては0ペルシア語の知識を有する研究補助者を活用して、データの入力・整理・加工等の作業を行った。 1. イラン等における資料収集:本年度が本研究の最終年度であることを踏まえ、総括的な位置づけでイラン等において必要な資料収集を行った。本研究に必要な調査地点を精査し、調査者および調査地を検討した結果、研究代表者(森)が2度、連携研究者(アーベディーシャール)が1度、それぞれイラン・イスラム共和国に渡航し、資料収集を行った。 2. データベース作成:本年度までに収集・整理した資料のなかから、本研究の目的に合致する基幹的な資料を選定し、「イラン伝統文化データベース」の拡充の作業を進めた。本年度は特にイランの遺跡群に関する部分について重点的にデータの拡充作業を行った。 3. 文学論への応用研究:研究代表者(森茂男)が応用研究の一環としてペルシア語史的視点からの考察を行った。
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