本研究は、イランにおける文学的言説を、ジェンダーを分析的に用いて総合的に検証することで、文化的周縁に置かれ、常に歪められてきたイラン女性の実像を明らかにし、ひいてはイスラーム世界に対する認識の刷新を図ろうとする。「語り」をキーワードに、古典文学から宗教儀礼やディアスポラ文学に見られる女性のナラティヴまで、時代やジャンルの異なる研究者が女性という共通の研究対象について複数の視点から共同研究を行い、中世以降現代に至るジェンダーを巡る文学的諸言説を俯瞰し、相関的、有機的に捉えることで、イランにおけるジェンダーの構造とセクシュアリティのあり方を解明する。
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