研究課題/領域番号 |
19320052
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
佐治 俊彦 和光大学, 表現学部, 教授 (70100435)
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研究分担者 |
岩佐 昌あき 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (60136546)
代田 智明 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60154382)
松浦 恒雄 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (20173792)
小谷 一郎 埼玉大学, 教養学部, 教授 (60136009)
高見澤 三由紀 和光大学, 表現学部, 教授 (70204500)
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キーワード | 文化大革命 / 銭理群 / オーラル・ヒストリー / 南京大学 / リグデン / 戯単 / 文革期文学 |
研究概要 |
平成19年度、20年度に行った研究会の成果を踏まえて、日本における文革研究を概括し、文化史的な視角から文革について今日どのような像を結べるのか検討することを目的として、以下の研究を実施した。 1.「日本における文革研究」:公開の研究会を2回開催した。1回目は、2009年9月26日に福岡愛子氏(東京大学大学院在籍)による「日本にとっての文革」と題する講演を行った。福岡氏は日本において文革研究を回顧することの意味、社会学研究者の視点で日本の文革研究を省察したときに見えてくるものを総括して、今後の非体験世代による文革研究が開く地平を示した。2回目は、2010年1月16日に金野純氏(学習院大学)を招いて開催された。金野氏の共訳書、董国強編著『文革南京大学14人の証言』(築地書館、2009年)を素材として、オーラル・ヒストリーと文革研究、南京における文革からみえてくる史実、当事者の視線を相対化する戦略について検討が行われた。また、全体としての研究会の他、文学グループから岩佐昌〓が「日本における文革期文学の研究状況」と題する論文をまとめた。 2.「上海・北京調査研究の検討」:平成19年度の上海、スワトウにおける調査研究、平成20年度の北京における調査研究の成果をまとめて検討した。そのうち、北京調査研究の準備として精読した書籍について、思想グループの白井重範が論文「銭理群の戦略『拒絶遺忘:"1957年学"研究筆記』を読む」にまとめた。 3.「文革関連資料目録の拡充と公開」:ネット上の公開には至らなかったが、平成21年度までの3年間に本研究に関わって購入した図書一覧を「文化大革命関連書籍」としてまとめた。また、社会・歴史グループからは松浦恒雄が論考「文化大革命時期の戯単」を作成し、収集した図版を公開した。研究協力者中津俊樹による「中国文化大革命関連文献・資料目録」とあわせて、文革研究の資料収集に有用なデータである。 以上の成果は報告書『文化大革命の文化史的再考2009年度研究会記録文化大革命関連書籍・資料目録』にまとめ、文革研究に関わりのある研究者や研究機関に送付した。
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