研究課題/領域番号 |
19320053
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
諌早 勇一 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (80011378)
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研究分担者 |
石川 達夫 神戸大学, 大学院・国際文化学研究科, 教授 (00212845)
大平 陽一 天理大学, 国際文化学部, 准教授 (20169056)
阿部 賢一 武蔵大学, 人文学部, 准教授 (90376814)
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キーワード | プラハ / 文化の交錯 / アヴァンギャルド / チェコ民族再生運動 / 亡命ロシア / チェコ文学 / プラハ言語サークル / ロシア人学校 |
研究概要 |
二年目に当たる本年度は8月と2月の2回研究会を催した。まず8月の研究会では、研究分担者の阿部が「オルシャヌイ墓地--その歴史と表象」と題した報告を行って、亡命ロシア人も眠るプラハの墓地について、その文化表象的な意味を論じた。また、ソヴィエト文化を研究する若手研究者(本田、八木)には両大戦間のソヴィエトにおける映画・建築について、チェコ文化を研究する宮崎にはチェコのシュルレアリスムについて報告を依頼し、この時代のソヴィエトとチェコのアヴァンギャルド芸術の相互関係について、立体的なイメージを得た。2月の研究会では、研究代表者の諌早が「モラフスカー・トシェボヴァーのロシア・ギムナジウムをめぐって」と題した報告を行って、チェコスロヴァキア政府の厚意でモラヴィアの小さな町にできたロシア人学校に見る亡命の子供たちの異文化体験について考察したほか、新潟大学の先生方からはこの時代のロシア演劇が欧米にもたらしたインパクトや、ユダヤ人のアメリカ移民の意味について報告を受け、この時代の大規模な文化の移動の様相について新たな知見を得た。 このほか、研究分担者の石川は20世紀前半のチェコの文学・思想・文化におよぼしたロシアの影響について研究を進めているし、大平は神話論・映像論などの分野におけるソヴィエト文化とチェコ文化の相互関係についていくつかの成果を発表している。最終年度に当たる2009年度はこうした研究を集約し、両大戦間のプラハを舞台にしたダイナミックな文化の交錯について、内外の学会で報告するとともに、研究成果報告書を刊行したい。
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