研究課題
今年度は、都合3回の調査を実施し、両足院に所蔵される書跡・典籍類のうち、第107箱から第140箱までの調査をほぼ終了した。調査方法は、箱ごとの悉皆調査であり、書名・員数・法量・装訂・外題・尾題・版式・行数・訓点・奥書・刊記などの調査項目を所定の調書に記入するものである。第107箱から第112箱までは、漢籍や詩文集の江戸時代の版本が中心であった。第113箱から第116箱までは、禅籍および『高僧伝』類の版本が中心で、やはり江戸時代が中心ではあるが、まま写本も見出された。第117箱以降は漢詩文関係の版本が多く存在した。第131箱には、世界的に有名な『三国志伝』五冊が納められていた。『三国志伝』には、明・万暦壬辰(1592)の刊記があり、本文の体裁は、上中下の三段からなり、上段が批評、中段が図、下段が本文となっており、版式は半面16行、有界、一行27字、装丁は袋とじ装となっている。二巻一冊となっており、五冊分が残っているが、巻一より巻六までの三冊は、世界的に見ても現在のところ、他の所蔵がなく、まさに天下の孤本となっている貴重な版本であることを確認した。第131箱以降は、漢文学・地誌・工具書など、やや雑多な分野の版本が多く存在した。また第61箱から第120箱にかけての調書の内容を順次、コンピューターに入力をしている。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)
韓国文化(ソウル大学校奎章閣韓国学研究院発行) 44
ページ: 289-296
学叢 30
ページ: 21-43