中国語と日本語の対照に基づく事象表現の総合的研究

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19320064
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 言語学
• 研究機関: 同志社大学
• 研究代表者: 沈 力 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (90288605)
• 研究分担者: 影山 太郎 国立国語研究所, 所長 (80068288) ; 村木 新次郎 同志社女子大学, 文芸学部, 教授 (00000430) ; 田野村 忠温 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40207204) ; 楊 凱栄 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00248543) ; CHRISTINE Lamarre 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30240394) ; 酒井 弘 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (50274030) ; 定延 利之 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (50235305) ; 張 勤 中京大学, 国際教養学部, 教授 (50298478) ; 森山 卓郎 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80182278) ; 星 英仁 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (70340461)
• 研究協力者: 伊藤 さとみ お茶の水女子大学 ; 于 康 関西学院大学 ; 李 長波 京都大学 ; 木村 英樹 東京大学
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 統語論 / 日中対照言語研究

研究概要

本研究は当初の企画どおり、次のような成果が挙げられている。(1)事象記述については新しい言語事実の発見、(2)理論構築について、とくに静的事象の理論化や日中使役表現の共通性の発見、(3)心理実験の実施及びそれの成果が公表。(4)応用研究の成果として、コーパスによる言語研究の進展とともに、中国における40方言の音声データ作成及びデジタル化完成、(5)研を中心とする研究会は12回実施、(6)研究成果の公表や国際交流の促進のための国際フォーラムは2回開催、(7)事象関係の論文集は1冊出版済み、さらに4冊を企画中である。詳細は下記参照されたい。
最後に、この科研の成果として中国の言語学関係者と日本の言語学関係者の交流が盛んになり、共同で更なる重要なプロジェクトを作ることとつながるようになったと言える。

研究成果

• [雑誌論文] 漢語蒙受句的語義結構 (2009)
  • 著者名/発表者名: 沈力
  • 雑誌名: 中国語文 No.1 ページ: 45-53
  • 査読あり
• [雑誌論文] 用GIS跟踪霍州話構形法的衰退軌跡-以代詞的派生機製為中心-(GISによる霍州方言の形態法衰退の軌跡を探求-代名詞派生メカニズムを中心に) (2009)
  • 著者名/発表者名: 沈力・馮良珍・津村臣宏
  • 雑誌名: 東方語言学 No.5 ページ: 104-122
  • 査読あり
• [雑誌論文] 言語の構造制約と叙述機能 (2009)
  • 著者名/発表者名: 影山太郎
  • 雑誌名: 言語研究 136号 ページ: 1-34
  • 査読あり
• [雑誌論文] 日本語の形容詞-その機能と範囲 (2009)
  • 著者名/発表者名: 村木新次郎
  • 雑誌名: 国文学解釈と鑑賞 No.74-7 ページ: 6-19
• [雑誌論文] 〔特集「日本語コーパス」〕コーパスを用いた日本語研究の精密化と新しい研究領域・手法の開発 (2009)
  • 著者名/発表者名: 田野村忠温
  • 雑誌名: 人工知能学会誌 No.24.5 ページ: 647-655
  • 査読あり
• [雑誌論文] 日本語研究の観点からのサーチエンジンの評価・続──検索ヒット件数の時間変動のその後とWeb文書量の推計の修正── (2009)
  • 著者名/発表者名: 田野村忠温
  • 雑誌名: 計量国語学 No.26.8 ページ: 290-294
  • 査読あり
• [雑誌論文] Rethinking Functional Parametrization: A View from Honorification in the Nominal Domain in Japanese (2009)
  • 著者名/発表者名: Sakai, H, Ivana, A
  • 雑誌名: English Linguistics 26 ページ: 437-459
  • 査読あり
• [雑誌論文] 従趨向範疇的方言表述看“書面漢語中的不同層次"的判定 (2007)
  • 著者名/発表者名: Christine LAMARRE
  • 雑誌名: 中国語学 No.254 ページ: 51-73
  • 査読あり
• [雑誌論文] 話し手は言語で感情・評価・態度を表して目的を達するか?-日常の音声コミュニケーションから見えてくること- (2007)
  • 著者名/発表者名: 定延利之
  • 雑誌名: 自然言語処理 第14巻第3号 ページ: 3-15
  • 査読あり
• [雑誌論文] 表全称句式的中日対比研究 (2007)
  • 著者名/発表者名: 楊凱栄
  • 雑誌名: 日語研究 No.5 ページ: 39-56
  • 査読あり
• [学会発表] What We Cannot Expect from Experimental Syntax (2009)
  • 著者名/発表者名: 酒井弘
  • 学会等名: 日本英語学会第27回全国大会Symposium“Experimental Syntax: What We Can Expect, and What We Cannot"
  • 発表場所: 大阪大学
  • 年月日: 2009-11-15
• [学会発表] Corpus-Based Analysis of Some Time-Related Aspects of Contemporary Japanese (2009)
  • 著者名/発表者名: Tanomura, Tadaharu
  • 学会等名: CLAVIER 09、University of Modena and Reggio Emilia
  • 発表場所: Italy
  • 年月日: 2009-11-05
• [学会発表] 日本語文法の主流と傍流-単語と単語の分類(品詞)の問題を中心に-」(招待講演) (2009)
  • 著者名/発表者名: 村木新次郎
  • 学会等名: 日本語学会
  • 発表場所: 島根県民会館
  • 年月日: 2009-10-31
• [学会発表] 事象構造に関する日中対照研究の展望-とくに使役表現をめぐって (2009)
  • 著者名/発表者名: 沈力
  • 学会等名: 2009中日理論言語学国際フォーラム、パネルディスカッション
  • 発表場所: 同志社大学寒梅館にて
  • 年月日: 2009-07-26
• [学会発表] 静的事象表現に関する日中対照研究の展望-とくに体験表現をめぐって (2009)
  • 著者名/発表者名: 定延利之
  • 学会等名: 20 09中日理論言語学国際フォーラム、パネルディスカッション
  • 発表場所: 同志社大学寒梅館にて
  • 年月日: 2009-07-26
• [学会発表] 中日事象表現データベースの構築について (2009)
  • 著者名/発表者名: 張勤.星英仁.沈力.金明哲
  • 学会等名: 2009中日理論言語学国際フォーラム
  • 発表場所: 同志社大学寒梅館にて
  • 年月日: 2009-07-26
• [学会発表] 間接受身における事象表現の統語構造とその解釈 (2009)
  • 著者名/発表者名: 星英仁
  • 学会等名: 2009中日理論言語学国際フォーラム
  • 発表場所: 同志社大学寒梅館にて
  • 年月日: 2009-07-26
• [学会発表] 言語の構造制約と徐術機能 (2009)
  • 著者名/発表者名: 影山太郎
  • 学会等名: 日本言語学会136回大会会長就任講演
  • 発表場所: 神田外語大学
  • 年月日: 2009-06-21
• [学会発表] 西北方言的慣常性行為標記“NE" (2008)
  • 著者名/発表者名: Christine LAMARRE
  • 学会等名: 第3届西北方言及び民俗国際学術研究討論会
  • 発表場所: 中国蘭州
  • 年月日: 2008-06-14
• [学会発表] ことばは世界をどう捉えるか:中国語の結果構文と事象構造 (2007)
  • 著者名/発表者名: 沈力
  • 学会等名: 2007中日理論言語学フォーラムパネルディスカッション
  • 発表場所: 北京大学
  • 年月日: 20070831-20070901
• [学会発表] 出来事の世界とモノの世界-事象叙述と属性叙述(基調講演) (2007)
  • 著者名/発表者名: 影山太郎
  • 学会等名: 2007中日理論言語学フォーラム
  • 発表場所: 北京大学
  • 年月日: 20070831-20070901
• [学会発表] 中日副詞対比研究―以幾個常用頻率副詞為例― (2007)
  • 著者名/発表者名: 楊凱栄
  • 学会等名: 大東文化大学外国語学部35周年記念講演
  • 発表場所: 大東文化大学
  • 年月日: 2007-12-01
• [図書] 漢日理論語言学研究 (2009)
  • 著者名/発表者名: 沈力・趙華敏
  • 総ページ数: 404
  • 出版者: 学苑出版社
• [図書] 語彙の意味と文法 (2009)
  • 著者名/発表者名: 沈力(由本陽子・岸本秀樹)
  • 総ページ数: 373-394(500)
  • 出版者: くろしお出版
• [図書] Isolate: Japanese, ( The Oxford Handbook of Compounding) (2009)
  • 著者名/発表者名: Taro, kageyama, (Rochelle Lieber, PavolStekauer)
  • 総ページ数: 512-526
  • 出版者: Oxford University Press
• [図書] 述類型論 (2008)
  • 著者名/発表者名: 影山太郎(益岡隆志)
  • 総ページ数: 23-45
  • 出版者: くろしお出版
• [図書] With Reference to Japanese, (Space in Languages of China) (2008)
  • 著者名/発表者名: Christine LAMARRE(XU, Dan)
  • 総ページ数: 200
  • 出版者: Springer
• [図書] ヴォイスの対象研究-東アジア諸語からの視点 (2008)
  • 著者名/発表者名: Christine LAMARRE (生越直樹・木村英樹・鷲尾龍一)
  • 総ページ数: 194
  • 出版者: くろしお出版
• [図書] 言葉と認知のメカニズム山梨正明教授還暦記念論文集 (2008)
  • 著者名/発表者名: 田野村忠温(児玉一宏・小山哲春)
  • 総ページ数: 489～497
  • 出版者: ひつじ書房
• [図書] 煩悩の文法-体験を語りたがる人びとの欲望が日本語の文法システムをゆさぶる話 (2008)
  • 著者名/発表者名: 定延利之
  • 総ページ数: 200
  • 出版者: 筑摩書房
• [図書] ヴォイスの対照研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 木村英樹・楊凱栄(生越直樹・木村英樹・鷲尾龍一)
  • 総ページ数: 65-91
  • 出版者: くろしお出版
• [図書] 腔北調論集中国文化の伝統と現代 (2007)
  • 著者名/発表者名: 張勤
  • 総ページ数: 1007-1024
  • 出版者: 東方書店