前年度と同様の枠組みによる移住者対象のインタビュー調査を継続し終了した。また、これまで実施したインタビュー調査において回答者からコミュニケーション・ギャップとして指摘されることの多い表現については、移住先の人々の実際の使用と評価意識を量的に把握するためにアンケート調査(多人数調査)を継続し終了した。 インタビュー調査の中心的な質問内容は、移住先の言葉についてどう感じているか、自分の言ったことが意図とずれて受け取られたことはないか等である。調査は基本的に回答者2~3人によるグループ単位により自由談話に近い形式で行った。我々の想定外の反応も得られるよう、基本的にオープンクエスチョンの形で進めたが、コミュニケーション・ギャップとして意識されることが予想される主要な項目については手控えとしてのメモを作成し、それらについてどう感じているかを積極的に質問することもした。 インタビューの回答者は移住者であるが、言葉について内省力が高くさまざまな情報が得られることが期待できる新聞記者やアナウンサー等の職種の人々、言葉についての内省力が高い日本語コース専攻の大学生、地元の人と接することの多い主婦をおもな対象とした。今年度は50人から回答を得た。「出身地→移住先」の形式により内訳を示すと次のとおりである。 関西→名古屋市:0人名古屋市→関西:0人 関西→広島市:0人広島市→関西:7人 関西→福岡市:0人福岡市→関西:19人 関西→首都圏:19人首都圏→関西:5人 一方、アンケート調査については、昨年度の名古屋市・広島市に引き続き、今年度は東京都(区部)・大阪市・広島市で実施した。回答者は無作為に選ばれた20歳~79歳の市民各200人(計600人)である。実査は民間の調査会社に委託した。
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