本研究は、談話がどのようなタイプでどのような内部構成をしているかという談話的要因と、文の産出・解釈にかかわる文法の間にどのような関係があるかを、日英語を比較対照しながら考察することを目的とする。その際、主に、次の4点に焦点をあてる。 (1)文法の少なくともある部分に影響を与えると考えられる談話のタイプにはどのようなものがあり、そのタイプはどのように特徴づけられるか。 (2)談話のタイプが変わることで影響を受ける文法の部分はどのようなものであり、どうしてその部分は談話からの影響を受けるのか。 (3)談話のタイプが変わっても影響を受けない文法の部分はどのようなものであり、どうしてその部分は談話からの影響を受けないのか。 (4)談話のタイプが変わることで影響を受ける文法の部分は、たとえば日本語と英語のように、言語が異なれば異なるのか。
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