研究課題
本研究では、いつでも、どこでも、だれにでも、手軽に、繰り返し利用可能なユビキタス環境における日本語教育支援システムを開発し、地球規模の公開運用実験と評価を行った。本年度は、特に、ディジタル世代の学習者に対する漢字学習支援に重点を置いて研究を行った。具体的には、ディジタル世代の学習者は、ポッドキャストなど先進的な学習コンテンツを用いてユビキタス環境で学習することに興味を持っており、また、非漢字圏の日本語学習者は、漢字の成り立ちや構成要素を物語などと組合わせて学習させることが、漢字の定着率が高くなると考えられる。このため、例えば、「母」の漢字では、「女は子供ができて母になります。母は女の字からできています。中の点々は赤ちゃんの頭とおしりです。真ん中の線は子供を優しく抱いている母の手です。意味と使い方は、はは、おかあさんです。」のように、漢字の物語をアニメーションで作成し、物語のナレーション音声とひらがななどの字幕を重畳して再生できるWeb上のオンライン利用と、ポッドキャストのオフライン利用の両方が可能な初級者用の144個の漢字アニメーシオンフコンテンツを作成した。このコンテツは、2009年6月1日よりhttp://www.sp.cis.iwate-u.ac.jp/icampus/u/upod.jspのURLで公開し、地球規模の運用実験を実施した。この結果、昨年度に公開したAssociative Kanji Learningのサイトと相互にリンクされているため、1日約100回のアクセスがあり、漢字の学習に利用された。今後の利用増加のためには、物語を学習者の母語で表現するなどの改良が必要である。なお、従来の日本語教育支援として、特殊拍や単語アクセントの聞き取りのシステムLESSON/J、日本留学模擬試験システムiCampus、および、世界中の学習支援サイト情報システムのUnited Linksなどは、昨年度に引き続き公開し、地球規模で利用された。本研究では、Yoriko YAMADA-BOCHYNEK (Freie Universitat Berlin)とSeiichiro INABA (San Jose State University)の両氏には、海外の研究協力者として参加いただいた。
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http://www.sp.cis.iwate-u.ac.jp/icampus/u/