| 研究概要 |
本研究の目的は英語コミュニケーション能力育成において基礎力として重要視されている聴解力を異文化理解と融合させて指導するCALL教材を開発することである.主としてアメリカ英語を扱った教材群をより包括的なものにするため,研究期間内にオーストラリア編,イギリス編,カナダ編,の3種の教材開発を行ったが,本年度はカナダ編教材の静止画収集(カナダァルバータ州),コースウェア開発,CALLソフトウェア化,インターネットによる配信,授桑での試用を行った.
開発が終了したカナダ編教材は昨年度収録したビデオ素材を試用したもので,以下の4ユニットからなり,各ユニット1分半×4パートのビデオクリップ,計16編から成る[Unit 1:Nature/Unit 2:History/Unit 3:Wildlife/Unit 4:Sport's and Camping].教材には学習を補助するための,タスク(設問,ヒント,辞書情報,解説,応用表現,コラム記事,確認クイズ)が多種準備され,学習者の求めに応じて提示される.学習者はこれらの各種情報を手掛かりに,設問に対する答を自らビデオを操作しながら見つけ出すという問題解決作業を行う.教材の学習には約30時間を要する.教材はCD-ROMによるオフラインでの利用,インターネットによるオンラインでの利用が可能である.本年度新たに組み入れた手法としては,コラム記事とともにカナダ英語の特徴,カナダの自然をテーマにしたジョーク,キャンプ生活の様子などをボーナストラックビデオとして提示できるようにし,学習者の興味の喚起に努めた.教材を試用した学習者からは「カナダについて理解が深まった」「カナダの自然に興味を持った」「カナダに行ってみたくなった」などの意見が聞かれ,カナダの自然・文化を紹介するための教材開発の目的は達成されたと判断した.
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