本研究の目的は、「自律的学習者の養成」という観点から、「ラーニング・マネージメント・システム(LMS)」で収集される学習履歴データに、学習者自身が主体的にかかわり、自分自身の学習に対する把握や評価を行い、自らが自らを動機づけ、自らの学習をコントロールする「自律的学習者」になることを支援できる仕組みである「eポートフォリオ」を構築し、その効果を検証することである。この目的を達成するため、平成20年度には具体的には以下のことを行った。 1.平成19年度に構築した「eポートフォリオ」のプロトタイプをネットワーク型集中英語プログラム(IETW)に実装し、「CALL英語集中」という授業で試行した。 2.「eポートフォリオ」のプロトタイプの有効性を検証するため、後期授業後、eポートフォリオのデータ提示画面へのアクセス頻度等のデータを調べるとともに、履修者の学習ログデータベースから、ログイン回数、ログイン時間、学習時間、教材消化率、問題正解率等の学習記録データ等をダウンロードし、授業の事前・事後で実施したTOEICテストの結果とともに分析を開始した。また、動機付けの観点から、授業の事前・事後で実施したアンケートの中から、動機付けに関係する質問項目に対する回答の分析にも着手した。 平成21年度においては、5月末までに平成20年度の試行結果データの分析を完了し、「eポートフォリオ」のプロトタイプの改良を行う予定である。
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