研究課題
本研究の目的は、「自律的学習者の養成」という観点から、「ラーニング・マネージメント・システム(LMS)で収集される学習履歴データに、学習者自身が主体的にかかわり、自分自身の学習に対する把握や評価を行い、自らが自らを動機付け、自らの学習をコントロールする「自律的学習者」になることを支援できる仕組みである「eポートフォリオ」を構築し、その効果を検証することである。この目的を達成するため、平成21年度には具体的に以下のことを行った。eポートフォリオのプロトタイプの有効性を検証するため、平成20年度の「CALL英語集中」という授業での試行結果データについての分析を行った。具体的には、eポートフォリオのデータ提示画面へのアクセス頻度のデータと、受講者のログイン回数、ログイン時間、学習時間、学習間隔、教材消化率、問題正解率等で示される学習パフォーマンスとにどのような関係があるのかを調査した。その結果、統計的には有意な結果ではなかったが、ログイン回数が多く、学習時間が長く、教材消化率の高い受講者、すなわち熱心な受講者はeポートフォリオをより利用する傾向があり、逆に、ログイン回数が少なく、学習時間が短く、教材消化率の低い受講者はあまり利用しないことが明らかになった。また、ログイン回数が少なく、学習時間が短く、教材消化率の高い受講者の利用率も高くなかった。この結果を踏まえ、eポートフォリオのプロトタイプの改良を行い、後期の授業に実装した。
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Proceedings of the International Technology, Education and Development Conference(INTED 2010)
ページ: 2894-2903
広島国際研究 15
ページ: 75-88