研究課題
今年度も研究資料の収集を続けるとともに、その整理をすすめた。写真や図表をふんだんに取り入れてビジュアルに、東京大空襲やその前後の歴史を伝える、『ビジュアルブック語り伝える東京大空襲』(全5巻)を編集し、出版した個別の課題についての研究実績は以下の通りである。1.東京大空襲については、防衛研究所や東京都公文書館などにある東京大空襲や民防空の史料を収集し整理した。2.世界の無差別爆撃の歴史については、第4回無差別爆撃シンポジウム「帝国と空襲-イギリス・台湾空襲を検証する」を開催した。これは帝国本国への空襲、帝国の植民地への空襲を取り上げることにより、空襲の世界史の視野を広げることをねらいとして、ドイツ軍によるイギリス都市空襲、アメリカ軍による台湾都市空襲をとりあげ、これらの空襲の実態とともに、戦後、それらがどう記憶・記録され、博物館を中心にどう伝えられてきたのかにも焦点をあてたものである。この成果をまとめ、報告書を作成した。3.資料センターが所蔵していない図書や雑誌に掲載された体験記についてデータベースの作成を継続した。4.空襲を記録する会について、シンポジウム「空襲・戦災を記録する会40年の歴史と今後の展望」を開催し、研究分担者の鬼嶋淳氏が空襲を記録する会についての歴史研究をまとめる報告「空襲・戦災を記録する会全国連絡会議の歴史と今後の展望」をするとともに、各地での空襲研究や記録する会の歴史と展望についての報告・コメント・発言があった。これらの記録をまとめ、報告書を作成した。5.平和のための博物館の戦争展示の調査を継続した。
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The Asia-Pacific Journal
巻: 9
政経研究
巻: 94 ページ: 114-126