研究課題
最終年度の2010年度は、これまでの実地調査、教科書内容分析、国際比較分析等の成果を踏まえて、総括的な作業を実施した。とりわけ2010年5月の日本西洋史学会第60回大会において、シンポジウム「ドイツ・フランス共通歴史教科書の射程」を開催し、現時点での独仏共通教科書についての総括的議論を行った。同シンポジウムでは、研究協力者の松井克行氏(大阪府立三島高校)、齋藤一晴氏(明治大)に加えて、共通教科書指導委員会のメンバー、Rolf Wittenbrock氏(ザールラント大学)をメイン討論者に迎えている。また西山は、2010年7月に中国(東北師範大学、長春)で開催された国際フォーラムにWittenbrock氏と共に報告者として招かれ、討議に参加している。第三巻の刊行が遅れている共通教科書の現状については、Wittenbrock氏だけでなく、フランス側執筆者のGuillaumeLe Quintrec氏、Daniel Henri氏、指導委員のEtienne Francois氏、フランス歴史教員協会(APHG)のHubert Tison氏からも、個別に剣持が改めて詳しく事情を聴取している。その結果、第三巻が2011年夏までに刊行されることはほぼ間違いないものの、フランス教育省によるカリキュラム大幅改正によって、フランス側指導要領との整合性が困難になり、教科書三巻完結後の使用見通しがさらに厳しいという状況を確認した。また、川喜田がもう一つの共通教科書構想が始動しているドイツ・ポーランド関係の研究を深化させるなど、歴史認識問題の国際比較にも着手している。2010年11月にArnaudNanta氏(CNRS上席研究員)を招いて「日韓、フランス・アルジェリア関係の比較」について、2011年1月には楊大慶氏(ジョージ・ワシントン大学准教授)を招いて「日中歴史和解」についての講演および、公開演習(静岡県立大学)をそれぞれ実施している。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
共立国際研究
巻: 28号 ページ: 137-143
巻: 28号 ページ: 39-68
戦争・平和・人権(黒沢文貴編)
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メトロポリタン史学(首都大学東京)
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Program and Documents of the Workshop for the Ideas, Challenges, and Experiences of Making Peace in the Twentieth Century. T44b The Third China-Europe Social
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最近の世界の動き(山川出版社)
巻: 20 ページ: 1-6