研究概要 |
都市の特定地区に女性を「商品化」する空間が存在してきたことを問題視し,ジェンダー関係をはじめ,さまざまな権力関係が都市空間においてどのように作用し,それらの諸関係がいかに都市空間に刻まれ,また,そこに出現するのかを検証することが,本研究全体の具体的な目的である。研究対象には米軍基地周辺の遊興街を選定し,女性が「商品化」される空間がどのようにつくりだされたのかを,社会・歴史地理的な視点から明らかにしつつ,基地や売春をめぐる住民運動の展開にも注目する。以上の研究目的のもと,各研究分担者の役割・課題は次のようなものである。 (1)米軍基地周辺遊興街の成立過程にみるジェンダー等の権力関係の解明(吉田) (2)軍事基地および軍事演習場をめぐる地域住民の反対運動(中島) (3)近世・近代の都市空間における遊廓に起因する赤線地区・青線地区(集団的売春街)成立の歴史地理(加藤) (4)米軍基地周辺遊興空間の消費と観光の関係性(神田) (5)ジェンダー関係が投影された都市空間の分析(影山)
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