研究概要 |
戦後,沖縄県内や本土につくられた米軍基地・施設周辺に現れた遊興街を対象に,女性の性が消費される空間がつくり出されていったプロセスを,社会地理学的および歴史地理学的な視点から追究した。また,売春や基地関連施設をめぐる地域住民の反応や活動の展開についても明らかにした。女性の性を消費する空間形成のプロセスや,そこに反映された諸力を明らかにするという研究の目的は,ほぼ達成されたと言える。地理学で従来タブー視されてきた性に関わる空間の解明に挑んだことで,日本でのフェミニスト地理学の発展に意義ある成果を残せたものと確信する。
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