研究課題/領域番号 |
19320137
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
島村 恭則 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10311135)
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研究分担者 |
岡田 浩樹 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (90299058)
鈴木 文子 佛教大学, 歴史学部, 教授 (40252887)
政岡 伸洋 東北学院大学, 文学部, 教授 (60352085)
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キーワード | 少数者研究 / 朝鮮半島系住民 / 地方地域社会 / 生活世界の多声性 / ネットワーク / 多文化共生 / 米軍基地 / バラ焼き |
研究概要 |
◆本年度は、小樽市、札幌市、新潟市、東京都、沼津市、大阪市、神戸市、鹿児島市等で個別分担調査を実施するとともに、青森県三沢市・十和田市において共同調査(および最終研究会)を実施した。前者では、大阪・東京という大都市と地方との間の移住ネットワークの実態や、地方都市における引揚者や被差別民との混住・葛藤等についての実態を明らかにした。後者では、戦後、三沢市に米軍基地が置かれることによって西日本方面から朝鮮半島系住民が多数流入し、市内に米・日・朝のコンタクトゾーンが形成され、さらにその中から「バラ焼き」という独自の食文化が生成してきたこと、さらにその食文化が隣接する十和田市においても受容され、現在、地域おこしの重要な文化資源になっていること、などを明らかにすることができた。米軍基地と朝鮮半島系住民との関わりは、本科研の初年度に千歳基地において、また2009年度に別府市においても調査を行なっており、これらの事例とあわせて三沢の事例を検討した結果、地方の朝鮮半島系住民と米軍基地の関わりというこれまで明らかにされてこなかった局面についてその具体像を明確にすることができた。◆また、本年度は最終年度であることから、これまでの4年間の成果を学会において報告し、評価を得るべく第44回日本文化人類学会研究大会(6月12日)の分科会「「多文化共生」研究批判:「混線」する文化の民族誌から」を組織し、研究代表者と研究分担者(岡田・鈴木)、連携研究者(高・宮下)が研究発表を行なった。幸い、多くのギャラリーに恵まれ、5名以上の研究者から有益なコメントを得ることができた。その成果は、学会誌に掲載すべく現在、準備が進行中である。◆以上の活動により、当初計画していた本科研の研究課題への取り組みは、ほぼ計画どおり遂行することができ、研究プロジェクトの目標を達成できたものと自己評価している。
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