本研究は、地方の地域社会を主たるフィールドに、朝鮮半島系住民が切り結ぶさまざまな地域的ネットワークと、彼らの生活世界の多様な実態について明らかにすることを目的としている。この目的を達成するため、本研究では、北海道、日本海沿岸、中・四国、九州の各地方都市、および東京都、横浜市、大阪市をフィールドとした共同、個別調査を実施する。そしてその成果の相互比較にもとづいて、日本列島上の各地方を結ぶ朝鮮半島系住民のネットワークと各地方地域社会における朝鮮半島系住民の生活世界の実態について、中範囲の理論的フレームを提示し、これにより、これまで大都市中心に行なわれてきた既存の朝鮮半島系住民研究の成果の相対化をはかろうとするものである。
|