研究課題
本計画のうち、本年度は、初年度の研究計画に沿い、東アジア諸国の高齢者問題についてその問題群の把握と整理のために文献、官公庁資料などを収集し、諸国における高齢化の対応を把握するとともに、社会人類学的な視点における問題の位置づけを検討した。また高齢化問題とその関連諸研究について、シンガポール大学、中山大学(広州)、中央民族学院(北京)、中央民族学研究所(台北)、東亜大学校(韓国)等の研究者と情報交換した。予備的な聞き取り調査から明らかになったことは、祭事の主役としての老人(沖縄)、子・孫世代と結びつく高齢者(韓国、シンガポール)、社会に埋め込まれた老人クラブ(広州)の諸例が示すように、東アジア諸国において、高齢者たちが直面する諸問題が社会的に十分認識されておらず、制度・政策面での立ち遅れといった点がある反面、それが必ずしも高齢者の組織化の弱体化に繋がるわけではないという点であり、今後のアクティブエイジングを考える上で示唆的であった。代表者、分担者、研究協力者による研究会を1回実施し、調査計画の調整ならびに理論化の方向性に関する検討を行った。研究代表者、分担者、協力者による国内外での調査活動は以下の通りである。伊藤:シンガポール(10月31日-11月6日、3月8-19日)、中国広東省(1月10-16日)、渡邊:台湾(7月22-31日)、鄭:韓国:(9月13-18日、10月31日-11月5日)、高桑:沖縄(7月22-31日)何:中国北京・上海(9月9-21日、11月12-16日)、協力者としては劉:日本(12月24日-1月9日)、横田:台湾(3日3-23日)。また、これ以外に新たに2名の研究協力者を追加し、それぞれ台湾、シンガポールで補足調査を実施した。
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人文学報(社会人類学) 393
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高齢化社会から熟年社会へII-都市形成過程における高齢者の多様化とそのセーフティネットワークの構築 II
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高齢化社会から熟年社会へII-都市形成過程における高齢者の多様化とそのセーフティネットワークの構築- II
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