研究課題/領域番号 |
19320141
|
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
森 明子 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 教授 (00202359)
|
研究分担者 |
岩本 通弥 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60192506)
佐藤 卓己 京都大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (80211944)
重信 幸彦 北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (70254612)
|
キーワード | 文化人類学研究 / 民俗学研究 / 文化研究 / 世論 / ドイツ研究 / 日本研究 |
研究概要 |
1、内容-本研究は、戦後ドイツの大学における民俗学研究が、社会の動向と深くかかわって展開した、多元的な過程を明らかにしようとする。平成19年度は、以下のような研究実績をあげた。(1)ドイツの民俗学の動向に関する文献資料および情報の収集;国内およびドイツの大学研究所において、文献を中心とする関連資料の収集をおこなった。ドイツでは、テユービンゲン大学、ミュンヘン大学、フライブルグ大学、ハンブルグ大学の各研究所で、講義記録や弱小研究誌、建造物も含めた資料や施設にあたった。(2)ドイツの大学研究者との意見交換;ドイツの各研究所の歴史、研究および教育の状況、日本との比較について、森(研究代表者)、岩本(研究分担者)、重信(研究分担者)が、チョーフェン、ヨーラー、バウジンガー(以上、チュービンゲン大学)、モーザー(ミュンヘン大学)と意見交換を行った。(3)現段階の問題点の整理と研究発表;収集した資料のデータベース化を進め、7月と3月それぞれ2日間にわたって、メンバー全員が会合し、研究状況の報告と意見交換を集中的におこなった。学会報告、研究論文・著書の出版は、各自で進めた。 2、意義と重要性一本研究は、ドイツの民俗学が、社会から何を期待され、また、社会に対して何を貢献してきたかを、日本との比較の視点からとらえようとする意図をもっている。このテーマを、文化人類学、日本民俗学、メディア史の間領域的な問題としてとらえて研究を進めるとともに、その問題関心を、ドイツの民俗学研究者と共有して、学問のナショナルな性格と社会における意味を、国際的に相対化した視点からとらえようとするところに意義がある。 初年度の研究としてドイツの研究者との協力関係が動き出していて、隣接する複数分野による国際的な共同研究として、また、学問と社会の関係を再考する新しい人文社会科学の模索として、重要な意味をもっている。
|