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2008 年度 実績報告書

司法制度改革の比較法社会学的考察-新制度派歴史社会学の視角から-

研究課題

研究課題/領域番号 19330001
研究機関北海道大学

研究代表者

尾崎 一郎  北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00233510)

研究分担者 濱野 亮  立教大学, 法学部, 教授 (80267385)
高橋 裕  神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40282587)
キーワード新制度派 / 司法制度改革 / 明治期 / 裁判所改革 / 裁判員制度 / 比較法 / ベルギー / 社会変動
研究概要

本年度は、前年度に検討した新制度派理論による日本およびベルギーの司法制度改革史を分析のための枠組みを実際に各論的に応用するために、分担者、研究協力者による検討研究会を計4回行った。まず2008年9月16日に立教大学において研究の進展状況を確認しあった。さらに同11月9日に、関西学院大学梅田キャンパスにおいて、再度研究状況の調整を行い、これらを承けた上で、海外研究協力者であるヴァンオーヴェルベケを招聘して、同12月25日にグランドプリンスホテル新高輪内ミーティング・ルームにおいて、裁判所改革(とりわけ、裁判員制度に代表される司法への市民参加)の歴史的文脈について協議を行った。その上で、2009年1月5日に北海道大学法学部法理論研究会において、ヴァンオーヴェルベケが、「ヨーロッパから見る司法制度改革と裁判員制度」と題する学生向け講演を兼ねた研究報告を行い、高橋がコメントを行った。戦前に施行され現在停止中の陪審制度についてはしばしば言及されるが、それにさらに遡る形で、市民の司法参加の仕組みが早くも明治期に構想されていたことがヴァンオーヴェルベケによって明らかにされ、司法制度改革の「もう一つの」源流が解明された。見方を変えるなら、このような「制度」導入の試みが頓挫してきた諸経験が、現在の「改革」の制度史的基層をなすということでもあり、新制度派理論において想定される「制度」の多層性についてよりセンシティブであることの必要性を確認するに至った。
これらの作業により、司法制度改革研究における新制度派理論の活用の効用が改めて確認された。昨今の司法制度改革はしばしばラディカルなパラダイム転換として語られることが多いが、実際には歴史的連続性の中で成立している面が多々あるということをふまえつつ、「大改革」について考察する必要があるということでもある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 紛争行動と法の主題化2009

    • 著者名/発表者名
      尾崎一郎
    • 雑誌名

      太田勝造・ダニエル・H・フット【編】『法5社会学の新世代』(有斐閣)

      ページ: 45-67

  • [雑誌論文] 法曹増員をめぐる論点2008

    • 著者名/発表者名
      濱野亮
    • 雑誌名

      法学セミナー 53巻12号

      ページ: 6-7

  • [雑誌論文] Book Review : Community and State in the Japanese Farm Village : Farm Tenancy Conciliation (1924-1938) by Dimitri Vanoverbeke, Leuven, Belgium : Leuven University Press, 20042008

    • 著者名/発表者名
      TAKAHASHI, Hiroshi
    • 雑誌名

      Social Science Japan Journal Vol.11, NO.2

      ページ: 312-316

  • [学会発表] 民事紛争における非主題化要因2008

    • 著者名/発表者名
      尾崎一郎
    • 学会等名
      日本法社会学会2008年度学術大会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2008-05-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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