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2009 年度 実績報告書

西洋と日本における国制史研究の方法的再定位――史料論・学問史の視角から

研究課題

研究課題/領域番号 19330002
研究機関北海道大学

研究代表者

田口 正樹  北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20206931)

研究分担者 林 信夫  京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40004171)
西川 洋一  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00114596)
小川 浩三  桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (10142671)
神寶 秀夫  九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (90118331)
新田 一郎  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40208252)
キーワード租税 / 貴族 / フランス:オーストリア / 裁判所 / ラント / ローマ法 / 写本
研究概要

今年度は3年計画の最終年度であり、個別テーマについての研究を深めるとともに、テーマ横断的な広がりを持ったいくつかの個別テーマを取り上げて全員で議論し、新たな国制史研究の可能性を探った。例えば、ポスト・ローマ期ヨーロッパをとらえるための歴史的枠組をどのようにとるかという問題が、近時のヨーロッパ学界での試みを参照しつつ検討され、当該時期における国家組織と租税システムの再評価、プラクティカルな貴族概念の研究手法としての有効性、古典荘園等に関する従来の社会経済史の通説を根本的に見直す必要性、などが論じられた。また近世フランスの裁判関係史料として、いわゆるアレティスト文献の性格、法学との関係、時期的変化が分析され、特に商事裁判所関係史料との関連を切り口に、アンシャン・レジームの法と国家を考察する際にアレティスト文献がどのような意義を持ちうるかが論じられた。更に、オットー・ブルンナーのラント論について、戦間期オーストリアにおける政治と歴史研究、および第二次大戦後のヨーロッパ志向という、ブルンナーの学問史的背景を掘り下げた分析が行われ、家と支配を基軸とする彼のヨーロッパ史把握の意義と限界について活発な議論が交わされた。またヴォルフガング・カイザー氏(フライブルク大学教授)をゲストに迎え、ローマ法史料の写本研究(個々の写本の構成・作成・修正・伝承の考察)が古代末期・中世初期の国制史と法史の研究にとって持ちうる可能性について、具体的な集合写本を例にとりあげつつ議論した。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] The Reception of German Law in Japan2010

    • 著者名/発表者名
      MATSUMOTO, Emi
    • 雑誌名

      法政理論 42巻3・4号(掲載確定)

  • [雑誌論文] 初期中世裁判史におけるゼント裁判の位置(2・完)2010

    • 著者名/発表者名
      西川洋一
    • 雑誌名

      国家学会雑誌 123巻1・2号

      ページ: 19-158

  • [雑誌論文] Levissi Village(Kaya)and the Population Exchange between Greece and Turkey.2010

    • 著者名/発表者名
      OTSUKI, Yasuhiro
    • 雑誌名

      ASANO, Kazuo(ed.), The Island of St. Nicolas.(Osaka University Press)

      ページ: 275-284

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『マインツ市平和法典』(D)(Das Friedensbuch der Stadt Mainz(D))(1437~1444年)訳・註釈(2)2010

    • 著者名/発表者名
      神寶秀夫
    • 雑誌名

      史淵 147号

      ページ: 176-198

  • [雑誌論文] 民事判決原本データベースと宮武外骨収集裁判関係資料2010

    • 著者名/発表者名
      新田一郎
    • 雑誌名

      跨界的日治法院档案研究(王泰升【編】)

      ページ: 225-284

  • [雑誌論文] 〔書評〕大山喬平編『中世裁許状の研究』2010

    • 著者名/発表者名
      新田一郎
    • 雑誌名

      日本史研究 569号

      ページ: 58-64

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 〔翻訳〕学説彙纂第五〇巻第一章邦訳(二・完)2009

    • 著者名/発表者名
      京都大学ローマ法研究会(代表・林信夫)【訳】
    • 雑誌名

      法学論叢 165巻1号

      ページ: 120-134

  • [雑誌論文] 初期中世裁判史におけるゼント裁判の位置(1)2009

    • 著者名/発表者名
      西川洋一
    • 雑誌名

      国家学会雑誌 122巻11・12号

      ページ: 1-44

  • [雑誌論文] 近代初期徳意志警察條令與刑事司法(李玉璽訳)2009

    • 著者名/発表者名
      田口正樹
    • 雑誌名

      政大法學評論 112号

      ページ: 45-70

  • [雑誌論文] アルブレヒト・コルデス「リューベックにおける皇帝法-理論的拒絶と実践的継受-」2009

    • 著者名/発表者名
      田口正樹【訳】
    • 雑誌名

      北大法学論集 60巻3号

      ページ: 1-29

  • [雑誌論文] ベルント・カノフスキ「法のクレオールとしてのブーフの注釈?」2009

    • 著者名/発表者名
      田口正樹【訳】
    • 雑誌名

      北大法学論集 60巻3号

      ページ: 31-59

  • [雑誌論文] 2008年の歴史学界-回顧と展望-「中世ロシア・ビザンツ」2009

    • 著者名/発表者名
      大月康弘
    • 雑誌名

      史学雑誌 118編5号

      ページ: 327-329

  • [雑誌論文] ローマ法学に鍛えられて-中世教会法学のbona fidesについて-2009

    • 著者名/発表者名
      小川浩三
    • 雑誌名

      桐蔭法学 16巻1号

      ページ: 1-37

  • [雑誌論文] ラインハルト・ツィマーマン「ローマ法とヨーロッパ文化(上)」2009

    • 著者名/発表者名
      小川浩三【訳】
    • 雑誌名

      法律時報 81巻11号

      ページ: 88-97

  • [雑誌論文] ラインハルト・ツィマーマン「ローマ法とヨーロッパ文化(下)」2009

    • 著者名/発表者名
      小川浩三【訳】
    • 雑誌名

      法律時報 81巻12号

      ページ: 70-79

  • [学会発表] 古代・中世の著作物にみる「体系」2009

    • 著者名/発表者名
      林信夫
    • 学会等名
      国際高等研究所・研究プロジェクト
    • 発表場所
      京都府、国際高等研究所
    • 年月日
      2009-09-26
  • [学会発表] Why the History of Japanese Law has not been finished2009

    • 著者名/発表者名
      KASAI, Yasunori, MATSUMOTO, Emi
    • 学会等名
      19th British Legal History Conference
    • 発表場所
      University of Exeter, UK
    • 年月日
      2009-07-08
  • [図書] 中・近世ドイツ都市の統治構造と変質-帝国自由都市から領邦都市へ2010

    • 著者名/発表者名
      神寶秀夫
    • 総ページ数
      515
    • 出版者
      創文社
  • [図書] ビザンツ文明-キリスト教ローマ帝国の伝統と変容2009

    • 著者名/発表者名
      ベルナール・フリューザン【著】大月康弘【訳】
    • 総ページ数
      167
    • 出版者
      白水社

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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