研究課題/領域番号 |
19330014
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
名古 道功 金沢大学, 法学系, 教授 (80172568)
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研究分担者 |
伍賀 一道 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (20104870)
澤田 幹 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (10215915)
緒方 桂子 広島大学, 法務研究科, 教授 (70335834)
大島 和夫 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (00124868)
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キーワード | 外資系企業 / 労働市場 / 成果主義 / M&A / 派遣 / 投資ファンド |
研究概要 |
本年度は、補充調査を行うとともに、2年間の調査研究を踏まえた総括的な研究を実施し、3年間の研究をまとめる作業を行った。 (1)総括的研究をする中で、なお不十分な補充調査を主として伍賀が行い、企業インタービューを実施した。 (2)2年間の調査研究を総括し、労働法上及び企業法上の理論的問題を析出するとともに、その解明を全員が分担して実施し、研究会において検討を行った。そこで明らかになったのは、以下の点である。 (1)調査及びデータ分析によると、外資系企業は、日本の全産業においてプレゼンスを高めており、日本経済の主軸の一つを占めるに至っている。また、経営及び人事管理の決定は、本国の本社の意向が働く余地が大きい。さらに、中途採用が少なくなく、人事・労務管理政策の一貫性からして問題があり、人材の確保及び育成が課題となっている。 (2)90年代以降、特に2000年代に入り外資系企業によるM&Aや投資ファンドによる活動が活発化したが、これは、商法、会社法、独禁法改正などと関連しており、法制度改正が一定の役割を果たした。 (3)主たる理論上の問題や成果は以下の通りである。 第一に、本国の本社との関係において集団的労使関係法上の使用者概念が挙げられる。第二に、バンド制など成果主義と関連した賃金制度が普及しており、日本企業においても参考になる点が少なくない。第三に、本国の本社と日本支社との関係では、人事、労働条件、労使コミュニケーションなど二重の権限から生じる問題が存しており、グローバル化に伴う課題といえる。
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