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2008 年度 実績報告書

組織犯罪対策法の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19330016
研究機関京都大学

研究代表者

塩見 淳  京都大学, 法学研究科, 教授 (00221292)

研究分担者 酒巻 匡  京都大学, 法学研究科, 教授 (50143350)
高山 佳奈子  京都大学, 法学研究科, 教授 (30251432)
安田 拓人  京都大学, 法学研究科, 教授 (10293333)
堀江 慎司  京都大学, 法学研究科, 教授 (10293854)
キーワード組織的犯罪 / 国際犯罪 / 不法収益 / 没収・追徴 / 刑罰権 / 共謀罪 / 犯罪団体
研究概要

国際的な拡がりをもった組織犯罪に対処すべく、各国の刑事実体法・手続法の齟齬を少なくするための様々な動きがあること、他方で、各国の刑事立法の民主性や自国民の保護に課題が残っていることが昨年度の検討において示された。このような観点から、2007年に制定された「国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律」について考察した。同法制定に伴って刑法や刑事訴訟法の改正を行わなかった点は、不必要な処罰拡大や手続的人権保障の切り下げを回避しており積極的に評価できる一方で、国外犯の処罰や公訴時効のあり方等に修正を加えなかった点は、日本で処罰すべき国際組織犯罪の処罰ができなくなる可能性を残すもので、見直しを要することが明らかとなった。また、日本刑法学会において共同研究「自由と安全と刑法」が行われた折に、「国際組織犯罪対策」の重要性は認識しつつ、国際条約に基づく刑事立法の必要性はそれ自体として真剣な吟味を要する点も指摘した。
組織犯罪には、従来とは異なる、それに相応しい捜査手法や裁判制度の導入も検討されるべきである。その1つに、組織犯罪に関与したが後に捜査や裁判に協力した者を優遇する手法が考えられる。そこで、「被告人の真実解明への積極的協力と量刑」に関する論文の評価を通して、被告人による捜査協力行為に対する刑事手続上の対応、とりわけ量刑上の考慮の理論的根拠について独自の考察を試みた。即ち、犯行後の態度と行為責任との関係を「責任刑」概念を用いて説明すると共に、捜査協力行為が、量刑判断における責任刑の確定・予防的考慮・政策的考慮の各場面において理論上どのように位置づけられうるかについて見解を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Participation in the ICC and the National Criminal Law of Japan2009

    • 著者名/発表者名
      高山佳奈子(Kanako Takayama)
    • 雑誌名

      Japanese Yearbook on International Law No. 51

      ページ: 384-408

  • [雑誌論文] 「自由と安全と刑法」コメント2009

    • 著者名/発表者名
      高山佳奈子
    • 雑誌名

      刑法雑誌 48巻3号

      ページ: 276-278

  • [雑誌論文] (コメント)長瀬敬昭「被告人の真実解明への積極的協力と量刑」について2009

    • 著者名/発表者名
      堀江慎司
    • 雑誌名

      判例タイムズ 1286号

      ページ: 84-89

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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