本研究は、「『E-サポート裁判所』の創造的構築に関する比較法的・基礎的研究」であり、4年間にわたる研究を通じて、市民が利用しやすく分かりやすく頼りがいのあるIT裁判所としての、「e-サポート裁判所」の具体像を提言することを、目的とするとともに、「E-サポート裁判所」の基盤整備のために必要な法原則の解明と、そのための解釈論的および立法論的な提言、および、具体的なシステム設計を行うことをも、目標としたものであるが、その第1年度における本年度は、研究実施計画に即して、基本的な資料を収集し、共同研究者である園田准教授とともに、IT裁判所に関する最先端の現場としてのシンガポール最高裁判所で視察・ヒアリング・意見交換をおこなうなど、今後の研究の展開に必要不可欠の基礎的な作業を行った。また、とりわけ民事手続研究会や判例研究会などの各種の研究会を通じて、日本の裁判所におけるIT化の可能性などについて、裁判官、裁判所書記官・事務官らと意見交換を行う機会を得、さらに、シンガポールなど、IT先進国における司法制度についての基礎資料の翻訳なども行った。
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