研究概要 |
法曹の質について,社会科学的な検証可能な概念規定と理論モデルを構築し,現実に調査を実施することで,現代日本の法曹の質を客観的に測定し,日本の進みつつある法化社会への道に,法曹人口増加がいかなるインパクトを与えつつあるかを測定しようとする研究である. まず,熟練の弁護士との討議をつうじて法曹に必要な能力とスキルについて理論仮説を立て,練達の弁護士への質問票調査によって,仮説を検証する.検証された法曹の質概念に基づいて質問票を作成して弁護士への調査を行う.顧客満足法を応用して法律相談者や訴訟における弁護士利用者への弁護士評価を調査する.弁護士の社会へのインパクトの計測手法のひとつとして,弁護士についての国民の知識とイメージと社会的威信をインタネット調査の手法を応用して実施する.さらに,裁判所記録を熟練の弁護士が読んで,担当弁護士の能力とスキルとを評価する. このようにして,多面的・多元的に法曹の質を概念規定し,社会科学的・客観的な測定法を開発して,測定を実践している.
|