研究課題/領域番号 |
19330028
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
権左 武志 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (50215513)
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研究分担者 |
田口 正樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20206931)
山本 文彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30222384)
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キーワード | 連邦制 / 帝国 / 主権国家 / ヘーゲル / ヴェーバー / ギールケ / ヴェストファーレン / ワイマール |
研究概要 |
田口正樹は、Lupold von Bebenburg(ca.1300-1363)の帝国論を取り上げ、7月のドイツ史研究会で報告した。彼がドイツの支配者を他の王国の国主と同様にとらえる姿勢を見せつつも、他方でその実質的支配領域にイタリア王国を算入し、皇帝独自の法的権限を承認している点を確認し。山本文彦は、1648年のヴェストファーレン条約のミュンスター条約に関する作業を行った。ミュンスター条約とオスナブリュック条約の規定上の重複部分と相違部分を確認し、こうした重複および相違が生まれた原因を交渉のプロセスの史料を利用しながら検証した。守矢健一は、19世紀私法学においてローマの共和政期に対する関心が希薄化し、帝政期に関心が集中していく過程を、クンツェのテクスートに即して紹介した。また日本におけるドイツ近代法史の戦後学問史をまとめ、研究の土台を歴史的に省察した。遠藤泰弘は、ギールケとその弟子プロイスの連邦国家論に関する昨年度までの研究を総括し、邦語で発表した。また2月のドイツ史研究会で、第二帝政期の連邦国家論に関する最近の研究動向を紹介した。今野元は、昨年度のドイツ出張を踏まえて、マックス・ヴェーバーとプロイスの連邦制論への取り組みを比較する研究のとりまとめに集中した。成果は7月のドイツ史研究会で報告し、学会誌に投稿し受理された。権左武志は、昨年3月の国際シンポジウム報告を日独両言語で公表する凖備を進めるとともに、ヘーケル歴史哲学講義に関する従来の研究成果を一書にまとめて公刊した。またワイマール共和国末期における連邦制の問題を取り上げ、2月のドイツ史研究会で報告するとともに、3月にボッフム大学、デュッセルドルフ州立文書館、バーゼル大学で資料収集と情報交換を行った。林知更は、連邦制的な国家思想にとり現代な論点である、ヨーロッパ統合をめぐる近年ドイツの議論を概観・分析する作業を行い、カイザーライヒ期およびワイマール期以来の連邦国家論との関係を検討した上で、成果を比較法学会総会で報告した。
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