(1)現代アメリカの政党がそのイデオロギー的立場をどのようなメカニズムで変化させてきたかについて、政党の予備選挙に着目することによって解明することを本研究の目的とする。その際には、政党の外に位置するさまざまの政治団体や政治運動が、特定の政党の予備選挙にどの程度関与し、介入するかを重視する。共和党の場合、経済保守勢力、宗教保守勢力、あるいは銃所持の権利擁護団体などとの関係が、民主党の場合、中道派の運動、あるいはリベラルとの団体との関係がとりわけ重要となる。 (2)2009年以来の新しい現象として、Tea Partyと称する右派グループと共和党の関係も重要な研究課題となる。昨年度までの研究では経済保守団体であるClub for Growthが共和党の予備選挙にどのように介入し、また影響を及ぼしたかについて研究を進めた。今年度はさらに他の団体も射程に入れてとりまとめを行いたい。
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