研究課題/領域番号 |
19330031
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
加藤 哲郎 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30115547)
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研究分担者 |
田中 ひかる 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00272774)
丹野 晴人 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (90347253)
堀江 孝司 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (70347392)
小野 一 工学院大学, 工学部, 准教授 (80306894)
岡本 和彦 東京成徳大学, 人文学部, 准教授 (30365001)
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キーワード | 国民国家 / 情報 / ネットワーク / 帝国 / マルチチュード / 国籍 / 亡命 / 外国人労働者 |
研究概要 |
最終年度である平成21年度は、研究課題である「移動と情報ネットワークの政治学」について、研究代表者、各研究分担者・研究連携者・協力者が国内外で補充調査を行い、報告書を作成した。報告書の骨格は、加藤哲郎ほか編「政治を問い直す」全2巻(第1巻「国民国家の境界」、第2巻「差異のデモクラシー」)として、日本経済評論社より平成22年度中に出版されることとなった。 平成21年7月4日、11月14日、平成21年12月12日と3回の全体研究会を持ち、それぞれの調査報告と研究成果を交流し、報告書収録の論文草稿を持ち寄り、本共同研究の中核となる「移動と情報ネットワーク」についての討論を重ねた。研究協力者である琉球大学講師鳥山淳氏、欧州連合大学研究所(EUI)研究員稗田健志氏、中華人民共和国・汕頭大学法学院助教授許寿童氏、徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部准教授今井晋哉氏を招き、専門的知識の提供を受けた。その研究会報告については、最終報告書に収録することで了承を得た。 研究の具体的成果は、近く公刊される加藤哲郎ほか編「政治を問い直す」全2巻(第1巻「国民国家の境界」、第2巻「差異のデモクラシー」)に収録される。そこには研究代表者・分担者のほか、この共同研究に研究会報告・出席、インターネット討論参加・コメント等で関わった研究連携者・協力者を含め、総計22名が執筆する。 3年間の本共同研究が見出したものは、国民国家は動揺し、政治の境界も流動化しているが、国籍や人種・民族問題の重要性は失われていない。移動や越境の具体的あり方を規定するのは、それぞれの地域や国家のデモクラシーのあり方であり、その歴史的軌跡とそれを支える社会運動、情報・世論・メディア・コミュニケーションの変容こそ、21世紀の「差異の政治」を特徴づけていることだった。
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