本研究は、1850年代からロシア帝国が崩壊する1910年代までの時期を対象として、ロシア帝国の東アジアに対する外交政策、これに対する清朝、朝鮮、そして日本の対応をみながら、その過程で「東北アジア」とよばれる地域が、どのように形成されたかを考察することを目的としている。 2008年度においては、下記の研究活動をおこなった。 1) 研究会等の実施:海外からのスピーカーを招いて、「ハルビン-異種混交の街-(2008月7月12日)、「清朝社会の多様性をさぐる」(2009年3月13日)、二回の公開研究セミナーを開催したほか、イタリアで開催された12th European Conference for Japanese Studies(2008年9月20-23日)で研究成果の発表をおこない、オーストラリア国立大学東北アジア研究プロジェクトと共催で、Workshop: Mapping the History of Northeast Asia(2008年11月28-30日)を実施した。 2) 海外における史料調査等の実施:海外における活動としては、多くの本研究課題連携研究者の参加をえて、2008年8月に旧露清国境の町、キャフタを中心にロシア連邦、モンゴル国で史跡を調査するとともに、文書館で史料調査を実施した。このほか連携研究者1名が米国で史料調査をおこなった。 3) 史料書誌目録の編集:前年度に引き続き、本研究課題に関係する史料集を刊行すべく、編集作業をすすめた。
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