本研究は、1850年代からロシア帝国が崩壊する1910年代までの時期を対象として、ロシア帝国の東アジアに対する外交政策、これに対する清朝、朝鮮、そして日本の対応をみながら、その過程で"東北アジア"とよばれる地域が、どのように形成されたかについて、実地調査と史料研究の両面から考証することを目的とした。 最終年度に当る2009年においては、1)2009年5月15日、東京で開催されたThe 54th INTERNATIONAL CONFERENCE OF EASTERN STUDIESにおいて、本研究参加者により、"The Qing Empire and Its Neighbors"(清朝と近隣)という部会を組織し、海外からも研究者を招聘して研究成果を報告したほか、全体研究会を開催。さらに研究参加者による海外学会での研究成果報告もおこなった 2)海外における研究・史料調査活動としては、7-8月にロシア連邦極東地方から中国東北部を走破し実地調査をおこなったほか、12月および2010年3月には研究参加者が、ロシア連邦(ウラディヴォストーク)、英国(ロンドン)、ドイツ(ボン、ベルリン、ハンブルグ)の図書館・文書館において、関連する史料調査をおこなった。 3) 本研究の成果刊行の一環として、連携研究者・岡本隆司の編集により、O.N.デニー著『China and Korea/清韓論』英語テクスト校訂本とその日本語訳注を出版した。
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