研究課題
研究の目的において書いたように、家族構成やライフ・ステージの違いは、同じ金額の帰属家賃が発生している住居に住んでいても、更には同じ住環境にいても、実際に得ているサービスの価値が異なってくると考えるのは自然なことである。第3年目となる本年度は、第2年目に実施した、関東地域を対象とする、住宅の状況及び住環境の中から特に土地と建物に代表される実物資産について所有有無を含めた格差の調査と、医療施設へのアクセスを対象とした住環境の格差の評価についてアンケートをを用いた実証分析を行なった。具体的な内容は、第1の成果は、住宅の広さに関する需要行動に関する分析を行い、現在提案されたいる住宅計画による居住面積について、比較的小家族では達成されているが、大家族では達成されていない可能性が明らかとなった。また第2の成果としては、医療機関へのアクセスとかかりつけ医の選択に関する分析において、必ずしも近接性が選択理由として選ばれていないことが明らかとなった。第3の成果としては、高齢化に伴う転居希望要因について、住環境要因の中でも生活の利便性が重視されていることが明らかとなった。これらの研究は、ソウル大学、神戸大学、山形大学で行った報告論文に対応する。申請書の分析方法の所でも書いたように、本年度は関西地域より、大阪市、京都市及び神戸市を対象としてアンケート調査を行った。具体的な内容は、昨年度のアンケートにより、充分明らかにできなかった、医療機関へのアクセッシビリティによる不平等を明らかにするために、かかりつけ医のみならず、救急医療に関するアクセスについても質問を行った。現在、この調査に関して、アンケートの設問の事後的な評価を現在行っているところである。最終年度である現在来年度に向け、このアンケートに対して住環境の格差を評価するため、具体的な分析に取り掛かっているところである。
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