最終年度として、アンケートによって収集されたデータの分析を進め、研究成果を論文の形にまとめた。具体的には、昨年度、ソウル大学で報告した住宅に関する不平等の分析については、"Tatgeted Standard for Floor Space in Government's Housing Plan"という論文にまとめ現在海外の雑誌に投稿中である。また、医療に関するアクセスの不平等に関する分析は、"How do people choose their primary care doctor?"、住宅の転居希望から見た不平等の分析は、"Wish for moving in an aging society"というタイトルの論文にまとめ、現在海外の雑誌に投稿準備中である。昨年度実施したアンケート調査については、"Factors Affecting Access to Emergency Medical Service"という論文にまとめ、現在海外の雑誌に投稿準備中である。この昨年度実施したアンケートについては、上記の論文に加え、住宅の不平等についても分析を進めている。これらの分析を通じて、経済格差を総合的に評価するためには、統計調査によって把握されている消費支出だけでなく、現在居住している住宅から直接受けているサービスや、救急医療体制やかかりつけ医といった、病気やけがといった事態にのみ消費する環境から受けるサービスについても、現実には不平等が存在し、これら統計では把握されない不平等を総合的に評価すべきであることが明らかとなった。以上の成果を踏まえ、現在、研究成果を報告書としてまとめている。また、今後の研究課題として、一つの指標として経済格差を評価するのではなく、複数の指標を基に総合的に経済格差を評価してゆくことの重要性が明らかとなった。この点については、今後の研究課題としたい。
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