研究課題
政府の各種政策は、立案過程の合理性とその政策結果の評価が、より一層求められるようになってきた。文化政策については、政策対象が文化価値という抽象的なものであるために、従来、統計的計量分析が難しいと考えられており、政府統計としてこの方面の統計データが体系的に十分整備されてきたとは言えない。この点を補うために、本研究は、政府の文化芸術行政のための基礎的統計データの整備とその分析を目的としている。本研究プロジェクトは「芸術家調査」班と「国勢調査ミクロ統計分析」班から成る。(1)「芸術家調査」班プロの舞台演奏芸術家を対象とした「芸術家調査」の実査を行った。実査に当たっては、各種芸術家名鑑を利用して、最新情報の芸術家母集団リストとなる芸術家データベースを構築し、郵送調査用の個人宛の名簿整理を行った。実査は、芸術家の「生活実態調査」と「経歴調査」の二種類の調査票で郵送調査法により行った。また、オーケストラ連盟、オーケストラ協議会、東京二期会、関西二期会へ出向き、ヒアリングを行い、調査協力依頼をお願いするとともに、音楽実演家の生活実態をつぶさに調査した。これと平行して、これまで15年間に5年ごとに行った4回の芸術家調査データの再整備を始めた。その際、これまで紙媒体で保管していたアンケート調査票の原票を、スキャナを使って全て画像データに変換した。これにより、物理的にかなりのスペースを占めていた原票の廃棄が可能になったのと同時に、調査データのデータベースとの突き合わせが瞬時に行えるようになり、データベースの再構築作業効率が飛躍的に向上した。(2)「国勢調査ミクロ統計分析」班国勢調査の目的外使用申請のための準備として、公表されている政府統計(国勢調査、就業構造基本調査、事業所・企業統計調査、サービス業基本調査、特定サービス産業実態調査など)を検証した後、目的外使用申請手続きの書類作成に必要な調査項目、結果の表章形式の検討を行った。実際の目的外使用申請は研究2年目の2008年度に行う。
すべて 2007 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
文化経済学 第5巻第3号
ページ: 1-6
統計 5月号
ページ: 28-33
統計 4月号
ページ: 29-37
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