平成21年度に開発された社会構造推計エンジンCSJ2.2pfに、まず地域の社会・経済機能の諸変量を結びつけるための付加モデルを開発し取り付けた。このモデルは主に都道府県単位で運用されるよう、県民所得と移動率の関係を採用し、都道府県単位で別位相空間にあるように設計した。都道府県および区市町村の施策課題と地域社会の機能は、相互に位相空間の連関を持つよう、政策分析モデルによるリンクを設け、空間に時間を次元として加えた4次元データとして、地域経済と地域生活基盤の情報を組み込みうる新たな情報フィードバック路を開発した。 このエンジンを、高度な高齢社会が招来される結果生ずる、都市特定地域への人口集中と、人口流出による限界集落や限界自治体の動向を分析するために、調査空間を小さくし、モデルに時空間にひろがる社会・経済・文化の変貌を組み込む回路を開発した。このために社会構造推計エンジンに地理情報システム(GIS)を加え、しかも任意の討論場所で電子的にポータルとなった行政データによる議論が可能となるシステム開発の検討を行った。 できあがったエンジンとモデルは、クラウドコンピューティングの技術を使い、強力なユーザインターフェイスを加えて、本研究の仮想実施空間であるPost-Max-Network-Workshop(PMN工房)に提供し、研究者相互間のインタラクティブな作業空間モデルを検討し、目下開発中である。 これらの結果を一般に公開し、テクノデモクラシーの方法論とすべく、新しいホームページ(http://www3.grips.ac.jp/~depopulation/)を開発中である。
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