研究課題/領域番号 |
19330064
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
今村 肇 東洋大学, 経済学部, 教授 (70176501)
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研究分担者 |
花田 昌宣 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
駒村 康平 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (50296282)
塚本 一郎 明治大学, 経営学部, 教授 (90274571)
加賀見 一彰 東洋大学, 経済学部, 准教授 (50316684)
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キーワード | 社会経済システム / 社会的経済 / 社会関係資本 / 組織のガバナンス / インセンティブ / co-production / 市民と自治体の協働 / 社会的企業 |
研究概要 |
これまでの人的資本と経済・社会に関する研究の系譜と、社会関係資本の社会学を中心とした系譜の融合は断片的には試みられており、本研究はその延長のもとに統合を目指した。先行研究の整理を行いつつ、日欧の社会的経済組織や社会関係資本が地方自治体や国家レベルでの政策的実践の効果を実証的に検証した。また、実際に具体的な政策的実践の現場からフィードバックを行なうなど、理論的枠組みの検証においては多様な手法を用いて統計的・記述的に成果をとりまとめた。 とりわけ研究最終年度の本年度は、欧州および北米(仏・スウェーデン・伊)における、社会的経済が地方政府および営利企業と協働することによって実現される社会サービス供給の実態調査をまとめることから始めた。 欧州および北米における社会・経済のあり方、政策執行のあり方の中で、社会的経済が地域の社会サービスにおいてどのように位置づけられ、政策を補完・代替しているかを比較検討した。とりわけ「人材」と「資金」の2つを重点的に、社会サービス供給のための人材供給・人材育成を地方政府がどこまで担っているかの実態を比較。そのような位置づけの違いが、個々の組織にブレークダウンしたときの人材をとりまくガバナンスやインセンティブにどのような影響を与えているのか、また、それが需要者から見たときの社会的サービス供給の見通しだけでなく、協働にかかわる多様な組織に雇用される個々人の労働インセンティブや所得の見通しにどのような影響を与え、最終的に供給される社会サービスの質にどのようなインパクトを与えているのかを比較検討した。 "Co-Production"をキーワードに、今後の社会的サービス供給において、営利企業、非営利組織(社会的経済)政府・地方自治体間でのいわゆる「協働」のあり方を、インセンティブによるマネジメント・ガバナンスの視点から検討することに一定以上の成果を得ることが出来た。
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