研究課題/領域番号 |
19330068
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大橋 和彦 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 教授 (50261780)
|
研究分担者 |
三浦 良造 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 教授 (30107081)
本多 俊毅 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 准教授 (70303063)
野間 幹晴 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 准教授 (80347286)
|
キーワード | 資産運用 / エネルギー商品 / ヘッジファンド / 年金運用 / 会計情報 |
研究概要 |
平成21年度は以下の成果を得た。まず、大橋は、エネルギー商品価格の相互依存関係に関し、共和分関係を導入した商品デリバティブ価格の理論モデルを用いてWTI原油価格と暖房油価格の実証分析を行い、共和分で表される依存関係がデリバティブ価格に無視し得ない影響を与えていることを示した。また,共和分関係を明示的に考慮した商品価格のスプレッド・オプションの評価も行った。 三浦は、CISDMデータに基づきヘッジファンド・リターンの統計的分析を行った。具体的には、商品先物運用が主に含まれるDiscretionaryと経済発展途上国の証券などへ投資するEmerging Marketsの二つの戦略カテゴリーについて分析を行い、通常のファンドの分析に用いられる説明ファクターである経済先進国と途上国の株式、債券、為替に追加してヘッジファンドの特性を計測するために用いられるFung & Hsiehのトレンドフォロー型のリターンを説明するファクターも用いると、特にDiscretionary型のファンドについて説明力の上昇があることを見出した。 本多は、長期の負債を持つ投資主体の行動についての理論研究を進め、公的年金運用における積立金運用においては、年金負債の構造を精査することが重要であることを示し、負債構造を考慮した積立金運用戦略を提案した。 野間は、研究開発投資に対する長期的便益を測定することが困難であったり、R&D会計によってもたらされる歪みなどによって、R&Dへ積極的に投資している企業では過小評価される傾向が、米国や英国などさまざまな国で確認されているのに対し、日本の株式市場ではこうしたR&D投資に対する過小評価があまり発生しないことを実証的に示した。
|