研究課題/領域番号 |
19330072
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
堀 敬一 立命館大学, 経済学部, 教授 (50273561)
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研究分担者 |
赤堀 次郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (50309100)
小川 重義 立命館大学, 理工学部, 教授 (80101137)
秦 劼 立命館大学, 経済学部, 教授 (40329751)
樋原 伸彦 立命館大学, 経営学部, 准教授 (10434698)
山田 俊雄 立命館大学, BKC社系研究機構, 教授 (10037749)
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キーワード | ファイナンス / 確率過程 / コーポレート・ガバナンス |
研究概要 |
本年度の研究成果は、(1)企業価値の評価をモデル化する際に必要な数学的手法の開発、(2)企業価値を評価するモデルの提案、(3)実証研究上の手法の開発、(4)日本のデータを用いた実証研究、4つに分類することができる。(1)については、確率システムのハミルトン系に関する分析が行われ、より広範な、問題に対して連続時間の視点で分析することを可能にした。(2)に関しては、非対称情報下における投資のタイミングと企業価値および経営者の報酬の関係、退出時刻に依存したオプション・モデルの開発が行われた。また、こうしたモデルの応用として、電気通信や電気ガスなど、ネットワーク設備への設備投資が不可欠な産業において、規制の形態が企業の設備投資行動や、その結果としての企業価値に与える影響について分析を行った。加えて、生命保険に関する新たな評価システム、投資家の選好と市場のクラッシュに関する分析も行われた。一方、(3)については、実証分析の観点から、企業が直面する不確実性を推定する手法についての開発が行われた。特にジャンプ仮定を含むような確率過程が想定されるデータに対して、ボラティリティのパラメータを推定する新たな手法が考案されている。(4)については、企業が直面するリスクと企業行動との関係については、企業の流動性資産需要という観点から分析を行った。この分析から、日本の上場企業が、流動性ショックに対して、これまでの銀行中心の保険システムから、市場を通じた自己保険的なシステムへと移行していることが明らかになった。
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