研究課題/領域番号 |
19330073
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
林 宜嗣 関西学院大学, 経済学部, 教授 (40122220)
|
研究分担者 |
高林 喜久生 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10226912)
前田 高志 関西学院大学, 経済学部, 教授 (70165645)
上村 敏之 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (00328642)
獺口 浩一 琉球大学, 法文学部, 准教授 (80398312)
下山 朗 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (20433120)
|
キーワード | 地域経済 / 地域間格差 / 地方税 / 公共投資 / 人口移動 / 効率性 / 広域経済圏 / 道州制 |
研究概要 |
本研究が明らかにしようとしたのは、地域の成長・衰退メカニズムは何か?国及び地方自治体の財政活動は成長・衰退のメカニズムにどのように影響するのか?地域の再生の活性化を目的とした国及び自治体の活動はいかにあるべきか?である。研究の結果、以下の点を明らかにすることができた。 大都市集中の抑制と工場等の地方分散政策、補助金、税制、融資などの優遇措置をテコとした地域指定方式による産業立地の推進、公共投資の地方への重点配分を行ってきたにもかかわらず、地方の衰退に歯止めはかからなかった。この最大の原因は、一方で東京一極集中の要因を放置したままで、結果の平等を主軸とした地域政策を行ってきたことである。 「集積の経済」が地域経済にとって重要なことが実証研究によって明らかとなった。しかし、地域が集積の経済を高めるためには、相応の経済活動と市場規模とともに、産業立地の集中・集積化、各生産主体のネット・ワーク化が必要である。それには地域経済活動領域を広域経済圏としてとらえるとともに、各圏域において、地方中枢都市の戦略的育成が求められる。同時に、経済ブロック内でのネット・ワークづくりをはじめとした面的な政策を実施する中で、ブロック内各地域の連携を強化しなければならない。 九州を対象に地域計量モデルを作成し、公共投資の分権化による域内総生産の増加等が、九州経済や住民福祉にどのような影響を及ぼすかを定量的に分析した。通常の地域経済モデルの場合、政策シミュレーション効果は域内総生産や個人所得水準、消費支出などで判断される。しかし、本研究では消費水準、政府経常サービス、生活関連型社会資本ストックからなるトランスログ型の社会的厚生関数から地域厚生水準を推定し、「豊かさ指標」として用いた。その結果、地方分権が住民の厚生水準を引き上げることが明らかとなった。
|