本研究の目的は、イギリス植民地時代のビルマ(1986年から1948年)において作成された、通称「チッティーサージョウッ」と呼ばれる土地の権利移動や借金に関する手書きの文書を、土地や建物の相続、質入、売買、小作契約等、役牛の質入や売買、金銭貸借、不動産や動産の競売、さらにそれらの組み合わせ等、書かれた目的別に分類・整理し、スキャナーとソフトを使ってデータベース化し、さらにこれを統計的に分析すること、そして最終的には、植民地期ビルマの農村経済像の再構築を図ることにある。そのためには第一に文書を収集することである。文書が大量に残っていると思われる下ミャンマーだけでなく、上ミャンマーや山岳地域でも文書を収集する。第二に収集した文書を分類・整理することである。これらをざっと読み、小作契約、質入、質流れ、相続、売買、贈与など仕分けする。第三にデータベース化することである。まずはミャンマー(ビルマ)語で、分類ごとに契約年月日、場所、当時者名、契約細目等の表を手書きで作り、次にその表から英語でエクセルを使ったデータベースを作る。同時に文書をスキャンして、データベースに加える。第4にこれを統計学的に分析することである。これにはエクセルのアドインソフトを用い、回帰モデルや主成分分析を行なって、諸変数間の関係を究明する。
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