研究概要 |
横浜国立大学で開発したビジネスゲーム開発運用支援システム(YBG : Yokohama Business Game)の機能拡張を行い,サプライチェーンや新製品開発のような「立場の異なるプレーヤー」(サプライヤ,メーカ,ホールセラー,リテーラ,および設計部門,マーケティング部門など)が存在するビジネスゲームの開発をより容易にするために、システム仕様と言語の設計を行い、システムの拡張および命令語開発を行った。これを利用して小規模なサプライチェーン(製造業2社,小売業3社)のビジネスゲームを開発し,2度の実証テストを行った.一方で、別のサプライチェーンゲームを授業で利用し、その結果を用いてプレーヤー意思決定の心理的側面に関する分析を行ない、その結果を踏まえて、サプライチェーンのシステムダイナミクスに加えて、意思決定に潜む心理的要素を学習可能な教育システム・教材を開発した。これらの知見を踏まえて、サプライチェーン構造に関する理論研究へのフィードバックを構想し、サプライチェーン・マネジメントと新製品開発における情報の役割に関する実証研究を行った。 これらの結果をいくつかの学会で発表し、研究者や実務家との意見交換の結果、本研究で開発されたシステムとその上で動作するモデルが、サプライチェーンや新製品開発の構造を実現できるものであることが確認できた。また、その際に得られた助言を基に論文を取りまとめて学術雑誌に投稿し、一部については掲載済みか受理済みの段階にある。
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