研究課題
本研究の目的は、世界中からナレッジ等を入手・活用しながらグローバルな規模での競争力を築き上げる「メタナショナル経営」の視点から、液晶産業のグローバル競争を分析することにより、日本の競争力強化の研究を行うことである。液晶の産業クラスターである三重クリスタルバレーを事例として、日本が適していると言われているインテグラル型産業における組織間の相互依存を、設計構造マトリクス(DSM)により定量的に評価した。この結果、組織間相互依存は、工場の企画段階から生産になるに従い減少することを見出した。同時に組織間で知識創造が行われ、競争力のある製品・知的財産が創造される。このようにインテグラル型産業の組織間知識創造のプロセスは、組織間の相互依存関係を減少・維持しながら、組織間で知識創造と蓄積を行うことを明らかにした。このプロセスは相互依存からの知識創造であり、「知識相互創造(knowledge interactive creation)」名付けた。また、組織および組織間で創造・蓄積される知識を「コアナレッジ」と名付けた。また、液晶技術は、シャーフの堺工場では太陽電池へ水平展開されている。このため、液晶技術の水平展開がおよぼすグローバル競争への影響を分析した。また、液晶の脅威となる新ディスフレイ技術および液晶技術の水平展開の可能性について、米国スタンフォード大学にて調査した。これらの分析の結果を踏まえ、日本に適するグローバル経営として「インテグラル・コアナレッジ経営」を提案した。この「インテグラル・コアナレッジ経営」は、3つのステップから成り立っている。世界から見込みのある知識をローカルな場所に収束する知識収束、そして高い価値が期待されるナレッジを基にローカルな地域で知識相互創造によりコアナレッジを創造する知識相互創造、コアナレッジをグローバルに発散させ価値と利益を最大にする知識発散である。
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立命館大学大学院テクノロジーマネジメント研究科博士論文
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The International Journal of Technology, Knowledge and Society 5
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The International Journal of Environmental, Cultural, Economic and Social Sustainability 5
ページ: 125-140
Design Principles & Practices : An International Journal 3
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http://researcher.apu.ac.jp/Profiles/5/0000410/profile.html#meiyo