研究概要 |
法政大学内に設置した「ミクロ流通研究会」において研究協力者を組織化し,定期的に研究会を開催し,文献レビューと統計分析を進め,日本の優秀小売・卸売企業を選び出し,その競争優位性に関する基礎的な分析を実施した。それと並行して,食品スーパー分野では強きの源泉となる業務システムに関するアンケート調査を実施し,低価格志向とバラエティ志向という対照的な戦略グループを導き出し,それぞれの業務システムの聞き取り調査を実施し,一部の成果を公表した。他方で,競争優位の1つとして物流システムがある点に着目し,総合スーパー,食品スーパー,ドラッグストア,ホームセンターの各事業分野における一括配送センターの設置・稼動状沈を中心としたアンケート調査を実施した。その集計結果は平成20年度にまとまる予定。 日本型流通システムの国際移転問題では中国における総合スーパー,食品スーパー,卸売業の現地調査を行い,日中比較と移転状況に関するデータを集めた。日本の総合商社による卸売業事業め移転可能性,および中国総谷スーパーの発展状況に関する論文は平成20年度内に公表する予定である。 個別企業分析ではスーパー系以外に,ユニクロ,しまむら,ヤマダ電機,コメリ等の各分野で圧倒的な強さを発揮する専門店企業に関する財務分析と聞き取り調査を進めている。その結果,それぞれめ強さの源泉には,商品開発,サプライ・チェーン,人材開発等の違いがある点が示唆されている。今後は,その点を丹念に実証し,統一的な概念化を図ることが研究課題となっている。
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