研究課題
若年層における非正規雇用、社会参入についての国内外の文献、資料の収集、検討は、国内外の学術誌、統計資料を検討するとともに、いわゆる「フリーター」についての社会的表象、社会的定義について、新聞を中心とするメディアから記事を収集し内容分析の準備をすすめている。組織領域(organizational field)として、公共性を重視する病院のケアのセクター、自動車企業のグループにおける販売のセクターを選び、前者では管理職に、後者では労働組合へのインタヴューを実施し、二つのセクターで、自由記述式の質問票による調査を実施し、それぞれ100名程度の回答をえた。第三に、若年層の非正規雇用者については、ジョブカフェにおける行政担当者とのインタヴュー、また、若年層雇用支援事業のNPO責任者にインタヴューを実施するとともに、ジョブカフェにおける利用者への自由記述式の質問票による調査を実施し、160名程度からの回答をえた。これらの三つの自由記述式の質問票による調査に基づいて、非正規雇用と正規雇用との関連を、異なる組織領域間の比較に留意しつつ、質的方法による分析(グラウンデッド・セオリー)を進めている。平成20年度においては、自動車企業のグループの管理職へのインタヴュー、ジョブカフェ利用者の若年者とのインタヴューを実施することにしている。また、若年層として大卒者の転職が重視されることから(ジョブカフェ利用者の半数が大卒者)、大卒者の若年層3000名程度を対象に、大学の同窓会組織の協力によって質問票の郵送とアンケート・サイトとを併用した調査を実施し、500名程度の回答をえた。この研究は、東洋大学特別研究「ニートの問題の現状と克服に関する応用・臨床社会学的研究」(研究代表者:東洋大学・社会学部・教授原山哲)との関連において、実施が進められている。
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東洋大学社会学部紀要 45巻1号
ページ: 155-166
http://socproj.toyo.ac.jp/