研究課題/領域番号 |
19330113
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
三上 俊治 東洋大学, 社会学部, 教授 (00114661)
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研究分担者 |
水野 博介 埼玉大学, 教養学部, 教授 (60131497)
竹下 俊郎 明治大学, 政治経済学部, 教授 (20163397)
仲田 誠 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50172341)
川端 美樹 目白大学, 社会学部, 准教授 (50234117)
大谷 奈緒子 東洋大学, 社会学部, 講師 (50364716)
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キーワード | 社会学 / 社会系心理学 / メディア / 情報 / マス・コミュニケーション / 世論 / メディア効果 / メディア環境 |
研究概要 |
本研究は、インターネットの普及などメディア環境の多様化が利用者の政治・社会意識(世論)に及ぼす影響を分析することを目的として、調査研究を行った。具体的には、東京都民840人に対する意識調査、および、インターネット利用者480人に対する意識調査を実施し、メディア環境やメディア利用パターンと公共意識、争点認知、イメージ形成との関連を中心に分析を行った。その結果、次のようなことが明らかになった。 第一に、政治争点認知との関連を多変量解析によって分析した結果、テレビニュース視聴時間のみが主要争点(雇用問題など)の認知に有意に関連をもち、その他のメディア接触量やメディア環境の違いは有意な関連を持たないことがわかった。 第二に、調査時点で大きな問題になっていた「非正規雇用(派遣切り)」問題への評価を従属変数とする重回帰分析を行った結果、メディア環境の多様化が、雇用者個人に対する原因責任帰属と有意に関連がみられた。また、国に対する対処責任帰属とPCネット利用に正の関連がみられた。 第三に、麻生自民党総裁と小沢民主党党首のイメージを従属変数とする重回帰分析を行った結果、麻生総裁のイメージにはメディア環境、メディア接触の影響はみられなかったのに対し、小沢党首のイメージには、PCインターネット利用が有意にプラスの効果を及ぼしていることがわかった。小沢党首の積極的なネット活用が党首イメージの向上に一定の効果を及ぼしている可能性を示唆する結果といえる。 第四に、インターネットモニター調査のデータを分析した結果、知り合いブログ、動画共有サイトの利用頻度が高い人ほど、非正規雇用者に対する対処責任帰属認知が大きくなるという傾向がみられた。これは、インターネットのメディア・フレーミング効果が一定程度作用している可能性を示唆するものといえる。
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