研究課題/領域番号 |
19330118
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
伊藤 守 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30232474)
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研究分担者 |
小林 直毅 法政大学, 社会学部, 教授 (10249675)
藤田 真文 法政大学, 社会単部, 教授 (60229010)
田仲 康博 国際基督教大学, 国際関係学科, 准教授 (90407180)
村田 久美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10229990)
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キーワード | テレビニュース / マルチモダリティ分析 / 政治意識 / インターネット / 情動 |
研究概要 |
2008年度は、ニュース分析のための理論的枠組み、分析方法の洗練、という2つの点を重点的に検討すべく計5回の研究会を開催した。またそれを踏まえ、2009年3月にプリテストとして1000サンプル(20-30歳代の男女東京在住者)のアンケート調査を実施した。 研究会では、第1に、現在のマルチモダールな記号編成からなるニュースとその受容を考察する場合に、情動の喚起という問題を考慮すること、第2に、メディア接触における「断片化」「均質化」という両側面が進行していることを視野に入れること、第3に、インターネットと既存メディア、とりわけテレビとの共振・連動の関係に留意することが問題提起された。その上で、メディア接触と政治意識のかかわりを考える際には、第1に、メディアコンテンツとしての「政治」の広がり=「政治の娯楽化」、第2に、ユースの「物語化」と「ナショナリティ」、第3に、その一方で「意味を形成させない・解体する」ニュース機能の問題が指摘され、今後これらの点をより理論化していく必要性が課題となった。分析方法の洗練化という点では、情動喚起という側面をいかに言説分析・マルチモダリティー分析と接合させるのか焦点となり、これも今後の課題として残された。 3月に実施したアンケート調査では、インターネットとテレビの利用の関係、番組毎の視聴頻度、番組に対する好感度などについて質問し、今後の本調査に役立つ知見が得られると共に、現在クロス集計等をおこない、データの精査をすすめている。 以上、2008年度の研究成果をふまえ、2009年度は、資本、権力、メディア、オーディエンスの現代的な布置関係にかんする理論化をおこないつつ、ニュースと社会意識・政治意識との関係を実証的調査のレベルで検証する予定である。
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